浮気相手に慰謝料を請求したい!トラブルを避けつつ確実に受け取るためには?

浮気相手からも慰謝料は取れる?

「パートナーではなく、浮気相手に慰謝料を請求できる?」

もし、パートナーの不倫を知ってしまったら…。

「慰謝料を請求して離婚する」というのが王道なのかもしれませんが、子どもや生活を考えると、そんな簡単に離婚なんて切り出せませんよね。

とはいえ、泣き寝入りできるものでもありません。不貞行為は法で禁止されてる以上、起きてしまった過去は戻せませんが、何かしらの償いを求めるのは当然の権利です。

慰謝料は不倫相手に請求することもできますし、パートナーと不倫相手両者から支払ってもらうのも可能(二重請求)です。しかし、パートナーではなくアカの他人である不倫相手に請求するには、トラブルになりやすく、気をつけるべきポイントもあります。

この記事では、浮気相手から確実に慰謝料を請求するためのポイントについて詳しくお話ししていきます。

1. 浮気相手にのみ慰謝料を請求する条件

まずは、離婚せずに浮気相手に慰謝料を請求するための条件について見ていきましょう。

浮気相手に慰謝料を請求するためには以下の4つがポイントになります。

1.浮気相手がパートナーを既婚者だと認識している

まず「浮気相手がパートナーを既婚者と知っていたか」が争点になります。

浮気相手が既婚者だと知らずに付き合っていたり、パートナーが秘密にしていて浮気相手に落ち度がないと認められた場合、慰謝料請求は行えません

具体例を挙げると、「結婚していることを隠してSNSなどで知り合った」などのケースでは浮気相手には慰謝料を請求できません。もちろん、パートナーに対しては請求が可能です。

2.浮気によって夫婦関係が完全に崩壊してしまった

不倫が原因で円満だった夫婦関係が崩壊してしまった場合も慰謝料請求が可能です。

逆に元々夫婦関係があまり良くない状態で浮気していたとなると、浮気相手への慰謝料請求は難しいでしょう。たとえば浮気前から別居していたケースなどが該当します。

ただし、以前から夫婦関係があまり良くなかったかどうかを証明するのは浮気相手側であり、証明するのは困難といわざるをえません。

3.現在までにパートナーから慰謝料を受け取っていない

すでにパートナーから慰謝料を受け取ってしまっていると、不倫相手に慰謝料を請求できなくなります。

4.時効が経過していない

慰謝料には時効があります。

  • 配偶者の浮気を知った日から3年
  • 不倫関係が開始してから20年

が経過していると、慰謝料請求は原則不可能です。

慰謝料の時効についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

2. 二重請求とは

冒頭でも少しご紹介しましたが、浮気相手とパートナーの両者に慰謝料を請求するのも可能です。これを「二重請求」といいます。

二重請求とは?
慰謝料の二重請求とは、慰謝料を浮気相手と配偶者の両方から請求することをいいます。法律上では「不真正連帯債務」と呼ばれ、連帯債務のひとつになります。

「連帯債務」ですので、たとえば慰謝料の合計が100万円の場合に、配偶者から100万円、浮気相手から100万円を請求することはできません。

2人合わせて100万円という計算になります。

そのため、二重請求をしたからといって慰謝料の総額が高くなるわけではないことを知っておきましょう。

W不倫の場合は慰謝料がもらえない!?

もし、パートナーの浮気相手も既婚者、いわゆるW(ダブル)不倫の場合は、残念ながら慰謝料を請求しても支払われない可能性が高いです。

なぜなら、あなたが浮気相手に慰謝料を請求できる権利があるのと同様に、浮気相手のパートナーもあなたのパートナーに慰謝料を請求できる権利があるからです。

この場合、家族ぐるみで慰謝料を請求し合う図式になりますので、基本的に慰謝料は相殺されることになります。

裏を返せば、あなたのパートナーが相手側から訴えられた場合の対処法にもなる、ともいえるでしょう。

3. 浮気相手のみへ請求・二重請求までの流れ

「浮気相手に慰謝料を請求するにはどうすればいい?」

ここまで浮気相手に慰謝料請求ができるのかどうか、二重請求とはどういったものなのかをご紹介してきました。

では、実際に浮気相手のみに慰謝料請求、もしくは二重請求を行う場合、どのような流れで行えばいいのでしょう?

一般的に浮気相手に慰謝料請求を行う場合、下記の流れで進めます。

  1. 請求額・請求方法を定める
  2. 浮気相手の身元を判明させる
  3. 内容証明郵便で請求
  4. 相手との示談交渉
  5. 協議・審判

それぞれの流れを一つずつ詳しく見ていきましょう。

3.1. 請求額を定める

まずはどれくらい金額を請求するのかを決めていきます。

一般的に、浮気の慰謝料相場は100~500万円といわれています。

慰謝料額はパートナーの浮気による精神的ダメージの大きさと、過去の判例や浮気相手の支払い能力などをもとに決められます。

慰謝料の金額が変動する要因は、以下のとおりです。

  • 婚姻期間
  • 浮気していた期間
  • 子どもの有無
  • 浮気の主導者はどちらだったか
  • 配偶者の年収

たとえば、1度の浮気よりも数年間関係を維持したり、相当悪質と判断されれば300万円を超える慰謝料が認定されるケースもあります。

この相場はあくまで裁判に至った場合の金額で、実際はこの金額を目安に話し合いで決めていきます。

基本的には最初に提示した金額以上になることは、ほぼないといっていいでしょう。

だからといって感情にまかせて相場よりも高額な慰謝料を請求してしまうと、浮気相手もこれに応じる必要がなくなってしまいます。 そればかりか、逆に名誉毀損などで訴えられる可能性もあります。

慰謝料の金額を正当なものにするためにも、弁護士に一度相談して決めた方が安心です。

3.2. 浮気相手の身元を判明させる

次に、浮気相手の身元を判明させる必要があります。

浮気相手に慰謝料請求する場合は、多くは書面で請求することになります。

そのため浮気相手住所や名前を特定する必要です。

とはいえ、パートナーも浮気相手の住所までは知らない可能性や、そもそも聞きづらいという方もおられると思います。

そんな時は、弁護士照会で身辺調査の依頼をしてみましょう。

弁護士照会で身辺調査を行うためには、浮気相手だという確かな証拠と、相手の名前・メールアドレス・電話番号のいずれかの情報が必要となります。

「浮気相手がいることは間違いないが、確かな証拠がない」場合は、探偵事務所に依頼するという方法もあります。

住所を特定するのは一見、困難なように思えますが、突き止める方法はあります。試してみてはいかがでしょうか。

3.3. 内容証明郵便で慰謝料を請求

次に、内容証明郵便を使って慰謝料請求を行います。

内容証明郵便とは?
内容証明郵便とは、郵便局側が「誰が」「誰に」「どんな書類を送ったか」を公的に証明してくれる郵便物です。
したがって、たとえ裁判になったとしても「そんな書類は受け取っていない」と反論はできません。

内容証明郵便は法的な証拠として扱われるため、浮気相手に送ることで、強い意志表示と精神的なプレッシャーをかけられるというメリットがあります。

【内容証明郵便の書き方】

内容証明郵便の書き方は郵便法で決められています。どんな特徴があるのか、チェックしてみましょう。

・1枚の用紙に書ける文字数は520文字以内

  縦書き…1行20文字以内、1枚26行以内

  横書き…1行26文字×20行、1行13文字×40行でも可能

・同文の手紙を3通分作成する

・文字を訂正する際は、書き間違えた文字に2本線を引き、正しい文字を横書きなら右側、縦書きなら上側に記入

【内容証明郵便の値段】

内容証明郵便の値段ですが、通常郵便物の料金(定形25g)の82円に加えて、下記の料金がかかってきます。

  • 内容証明料 手紙文1枚で420円、2枚目以降は1枚ごとに260円増し
  • 書留料 430円
  • 配達証明料(任意) 310円
  • 速達料(任意) 280円(250g以下の場合)

速達にしなくても送達は可能ですが、重大性を相手にアピールできることにもつながりますので、速達で送付するケースが多いです。

速達にして、配達証明料も入れた場合の合計金額は1,522円です。

3.4. 不倫相手との話し相手は危険

書面ではなく、浮気相手に直接会って慰謝料を請求することも可能です。

しかし、直接対峙する場合はトラブルになりやすく、リスクも大きいのが実情です。

まずは浮気をしていたと相手に認めさせる必要があります。

この時、ただ「浮気したでしょ!」と詰め寄ったところで、相手にその事実を認めさせなければなりません。そのためにも、相手に決定的な証拠を提示するのが肝要です。

相手が浮気を認めたら、慰謝料の金額をどうするか話し合いに移ります。

ここでトラブルになりやすいのは「つい熱くなってしまい、相手を脅すような言動をしてしまった」というケースです。度が過ぎてしまうと、恐喝罪と見なされる可能性もあるのでくれぐれも冷静に話し合うようにしてください。

ここまでで話し合いがまとまらなければ、調停・裁判へ移行することになるでしょう。

注意したいポイントは、調停・裁判へ進んだ時に話し合いの中で「言った」「言わない」の水かけ論に発展してしまう可能性があるという点です。

調停や裁判で証拠として提出できよう、話し合いの時にはボイスレコーダーを用意して会話を録音しておきましょう。

また、話し合いが進み、慰謝料の金額にお互い納得がいったら、公正証書と示談書を作成しましょう。公正証書は法的に認められた書面ですので、後々のトラブルを防ぐためにも必ず作成しておくことをおすすめします。

「浮気相手に直接会って話したい」という気持ちもわかりますが、浮気相手との話し合いは、お互いに冷静に話し合う、というケースの方が珍しいといえるでしょう。

ですので、自分が冷静になれないかもしれないと感じたら、親や友人など第三者に同席してもらうことをおすすめします。

また、「弁護士に同席してもらう」というのも賢い方法かもしれません。感情的な話し合いになることを避けられるだけでなく、あなたの本気度も示ますし、法的に適正な要求であることや、和解後のトラブルを避けられる可能性も高くなります。

不倫相手も既婚者の場合は、4人で話し合うこと

不倫相手も既婚者である場合、不倫相手の配偶者からあなたの配偶者に対して同じように慰謝料を請求する権利があります。

慰謝料の請求をする場合、不倫相手の配偶者にも関係がある話になるため、4人で話し合いを行った方が早めの解決が見込めます。

4人で示談交渉をした結果、慰謝料が相殺した判例も存在します。

3.5. 調停、または裁判を行う

いくら話し合いをしても話が進まず、示談交渉が決裂した場合は、裁判所に調停を申し立て調停員を介して話し合い、それでも決着つかなければ最終的に裁判で争うことになります。

二重請求を望んでいる場合、配偶者と浮気相手の両方が納得できる話し合いをしないといけません。

慰謝料の話し合いはパートナーだけでも揉めてしまう可能性が高いのに、浮気相手の合意も必要となるため、かなりの困難だといえるでしょう。

そのため、二重請求を行う場合は裁判まで進む可能性が非常に高いといわざるを得ません。

したがって、二重請求を決心したのであれば、最初から弁護士に相談・依頼しておくことをおすすめします。

弁護士に相談しておくことで、先程もご紹介したように浮気相手へのプレッシャーをかけられ、場合によっては裁判へ発展せず慰謝料請求を成立させる可能性も高くなるはずです。

また、裁判になってしまっても弁護士がすべて対処してくれるため、精神的な負担も軽減できます。

パートナーが不貞行為に及んだ場合、浮気相手に慰謝料を請求するという選択肢はあってしかるべきです。とはいえ、パートナーに対して慰謝料を請求するよりもはるかに難しいというのが実情です。

リスクを避けながら確実に慰謝料を受け取るためにも、専門家である弁護士に相談しましょう。

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