養育費はいつまで払い続ける?支払い義務は原則20歳まで

養育費の支払いはいつまで続く?

「現在離婚協議中であり、これから養育費について決めようとされている方の中には、
「養育費はいつまで支払い続ければいいの?」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。

基本的に養育費は法的原則として20歳までと決められています

しかし、例外もありお互いの合意があれば何歳まで支払い続けても良いことになっているのです。

そこで今回は、養育費の決められている支払い期間や、例外のケースなどについて、解説していきましょう。

養育費を支払う期間がどれくらいになるのか気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

養育費の支払いはいつまで?

まずは、養育費の支払いはいつまで行うべきなのか解説していきましょう。

基本的に養育費の支払いは「20歳まで」が目安です。

養育費というのは子供を育てて社会自立させるために必要な費用を指します
一般的には子供が20歳で成人になったら社会的に自立したと考えられ、養育費の支払い義務はなくなるのです。

ただし、冒頭でも述べたようにあくまでも原則が20歳というだけであって、互いに合意すれば金額を含め何歳まで養育費を支払っても問題ありません。
民法第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)でも、以下のように定められています。

民法第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
“父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。”

20歳を超えても支払い続けるケースとは?

子どもが20歳を超えても、養育費の支払い義務が発生するケースとして下記の2パターンが挙げられます

  1. 合意のもと子供を大学に進学させた場合
  2. 成人になったが子供がまだ自立していない場合

では、それぞれのパターンについてもう少し具体的に解説していきましょう。

合意のもと子供を大学に進学させた場合

離婚時の協議において、子供を大学に進学させたいと両親どちらも考えた時、養育費の支払い期間を延長してほしいと言われる可能性が高いです。

高校卒業後、大学に合格し留年せずストレートで卒業した場合、子供は22歳となっています。
そのため支払いを20歳までとしていると、2年分の学費を片親のみが負担しなくてはなりません。

大学の学費は国公立・私立によっても異なりますが、ストレートで卒業したとしても下記の金額がかかると言われています。

  • 国公立大学…457万5,000円
  • 私立理系大学…818万円
  • 私立文系大学…675万5,000円

※日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査(平成28年2月23日発表)」

奨学金を利用したとしても、これだけの費用を片親だけが負担するとなると、親だけでなく子どもの生活にも大きな支障をきたす可能性もあります。

養育費は子どもが自立するまで支払うとするのであれば、大学在学中は自立していることにはなりません。
そのため養育費を受け取る側とすれば、当然、子どもが大学を卒業するまで養育費を希望するでしょう。

離婚協議は、両親双方の合意が優先されます。そのため、養育費の支払いは原則20歳とされていても変更は可能です。

その内容が公正証書のような法的拘束力のある書面に記載されていれば、子どもが大学卒業するまでしはらう必要があります

成人になったが子供がまだ自立していない場合

もう一つのパターンが、「成人になったが子供がまだ自立していない場合」です。

たとえば子供が病気を患っていて、社会的な自立が難しい状態である時、養育費の支払い義務が発生する可能性があります。

そもそも、成人の定義というのはとても曖昧なもので単純に20歳を指す場合もありますし、社会的に自立して一人で生活できるようになる場合もあります

法律用語に「未成熟子」という言葉があり、これは成人年齢に関係なく、経済的に自立していない子を指しています。
さまざまな場面によっても成人という定義は変わってきてしまうのです。

病気などで子供が働けない場合は、自立できるまで支払い義務が発生する可能性があります。

もし、現段階で子供が病気に罹っていなくても、将来的にそうなる可能性もあるので、あらかじめ離婚協議時にしっかりと話し合っておくことが大切です。

子供が20歳になる前に支払い義務がなくなるケースもある

ここまで、子供が20歳を過ぎても養育費の支払い義務が発生する可能性があるパターンをご紹介してきました。

養育費の支払い期間が延長する可能性はありますが、実は支払い義務が消滅し、支払い期間が短縮する可能性もあるのです。
子供が20歳になる前に支払い義務が消滅するのは、下記の2パターンが挙げられます。

  1. 再婚して養子縁組をした場合
  2. 未成年だが子供が自立した場合

具体的にどのような状態を指すのか、それぞれ詳しくご紹介していきましょう。

1.再婚して養子縁組した場合

まず、養育費を受け取る側の親が再婚すると、養育費の支払いが免除される可能性があります。

子どもが養子縁組をしたからといって、実親の扶養義務がなくなるわけではありません。しかし血縁関係がない養親は、一緒に暮らしていない実親よりも扶養義務の優先順位が高いとされています。

したがって養育費を受け取る側の親が再婚して、十分子供も養っていける経済力があると判断されると、養育費の支払いが免除される可能性があるのです

ここで注意しておかなくてはならないポイントがあります。 それは、「養子縁組をしているかどうか」です。

もし、養子縁組をしているのであれば養親に扶養義務が発生しますが、再婚しても子供と養子縁組をしなかった場合は扶養義務が発生しません。

つまり、再婚相手は養育費を負担しなくても良く、引き続き養育費を支払っていかなくてはならないのです。

もうひとつポイントがあります。それは、再婚相手の方が扶養義務の優先順位が高かったとしても再婚相手の経済力がなければ、養育費は引き続き支払っていかなくてはなりません。この場合は、養育費の減額交渉であれば可能です。

条件はありますが、再婚によって養育費支払いは変更できる可能性があります

相手が再婚することになったら、しっかり養育費を受け取る側と話し合いを行って、トラブルへと発展しないようにしましょう。

2.未成年だが子供が自立した場合

子どもが20歳を待たずに支払い義務が免除されるもう一つのケースとして、すでに子どもが自立したパターンが挙げられます。

先ほどもお話ししましたが、法的には成人の定義は20歳という年齢ではなく、社会的もしくは経済的に自立できていると判断された場合です。

たとえば、子供が大学進学ではなく高校卒業後はすぐに働き始めて、経済的にも安定しているようなケースでは、20歳未満でも自立したとみなされ、支払い義務が免除される可能性があります

他にも自立が認められるケースとして、「結婚」が挙げられます。
子供が18歳で結婚した場合、社会的にも自立していると見られるため、養育費の支払い義務がなくなる可能性が高いです。

もちろん18歳で仕事をしている人もいます。しかし完全に自立した生活ができる人は多いものではありませんし、まだまだサポートが必要かもしれません。
養育費はこれまでより減らして、自立を促すという方法もあるので、子どもと話し合ってみてはいかがでしょうか?

養育費を決めた後でも金額の変更できる

養育費の支払い期間は大学進学や自立した年齢などによっても異なり、期間が延長される場合もあれば逆に短縮される場合もあります。

基本的には離婚協議時に色々と決めておかないといけませんが、場合によっては予期せずお互いに環境や収入の状況が変化してしまうこともあるでしょう。

養育費の支払い期間はそんな環境や状況によっても変わってきます

ただし、養育費の金額を変更するには条件が必要となります。

・養育費を受け取る側の親が再婚した
先程もご紹介しましたが、養育費を受け取る側の親が再婚し、相手が経済的余裕もあってきちんと子供を養えると判断された場合、養育費の支払い期間が短縮されるだけでなく金額も変更することができます。
再婚相手に経済的な余裕があれば、養育費を減額してもらえるでしょう。

・支払い側が再婚し、相手の子供と養子縁組をした
養育費を支払う側が再婚して、その相手に子供がおり養子縁組を行った場合、養子縁組を組んだ子にも扶養義務が発生するため養育費の減額を申請することができます。

・お互いの生活状況が変わった
養育費を受け取る側と支払う側、双方の生活状況に変化があり、お互いに合意すれば養育費の減額が認められます。
たとえば、支払う側が病気になってしまったり、逆に受け取る側の収入が増えて養育費がなくても生活に困窮しなくなったりした場合、養育費がなくなる可能性もあります。

いずれにせよ、養育費の増額・減額は勝手に決められるものではなく、お互いに合意の上で成り立つものです。
もし話がまとまらなければ、調停や審判への申し立てを行う必要があります。

話し合いによって合意が取れればよいのですが、お金が絡むとなるとそう簡単に解決できない場合もあるでしょう。
養育費の増額・減額について詳しく知りたいという方は、下記のリンク記事を参考にしてみてくださいね。

増額したい方はこちら

減額したい方はこちら

養育費の支払い期間は変更可能!話し合いで決まらない時は弁護士に相談を

養育費はいくら支払うかも決めるのも大切ですが、いつまで支払うかを決めるのも大切です。
したがって、離婚協議時にさまざまなケースを想定して話し合う必要があります。

そして子どもが自立するまで、決めた内容がきちんと守られるよう、公正証書という法的効力のある書面で記録しておくべきです。

とはいうものの、養育費は長きにわたって支払われるもの。その過程で、子ども、あるいはあなたにどんな変化や事態が発生するかはわからないものです。

養育費についてはいつでも見直しできるようになっています。そのためにも、離婚してからもある程度距離を保っておくことは大切です。
お互い子どもを大切に想い、自立するまでは扶養義務者としてしっかりと責任を果たすべきだといえるでしょう

だからといって離婚協議でお金の話になるとトラブルも多く、支払い側も受け取る側も、譲れない場面が遭遇することもあるかもしれません。

第三者を介することで、話し合いがスムーズにいくこともありますので、なかなか2人での話し合いが進まないという時は、弁護士に相談してみてください。

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