養育費の相場は?正当な金額と離婚時に必ずするべきこと

養育費相場

「離婚したいけど、子供が成人するまで一人で育てられるかな?」

「養育費の相場は?」

親には子どもに対して、自身と同じ水準の生活を保障する義務があり、離婚してもその原則は変わりません。

離婚すると片親だけでは経済的な負担がより大きくなるので、子どもをしっかり養うためにも養育費を決めておくことは大切です。

では養育費はどれくらい請求できるのでしょうか?

養育費は算定表に基づいて決定されますが、いくつか注意点があります

今回は養育費の請求に役立てていただくために、養育費の決め方や相場、現状の受給率についてご紹介していきましょう。

養育費の金額はどのように決まるのか?

養育費はどのように決まるのかご存知でしょうか?

実は目安として算定表があり、それに基づいて養育費の金額が決まっています。

しかし、必ずしも算定表通りというわけではないので、決め方と注意点を確認していきましょう。

養育費の金額は算定表で決める

養育費の金額を決める時は目安となる算定表を使用するのが一般的です。

実際に算定表を使って計算する前に、以下の2点を確認しておきましょう。

1.夫の年収

年収の計算といっても、会社員と自営業で計算方法が異なります。

会社で給与をもらっている方は源泉徴収票の支払い額から、控除されていない額が年収となります。

自営業の方は確定申告に記載する所得金額のうち、課税対象となる金額が年収です。

同じ年収なら、養育費算定表では会社員の方が少なくなります。なぜなら自営業者は、確定申告によって経費を差し引かれているからです。

ここで注意してほしいのは、社会保障給付にあたるものは年収に含まないことです。具体的には児童扶養手当や児童手当が該当します。確認の際はくれぐれも注意してください。

2.子どもの人数と年齢

当然かもしれませんが、子どもの人数によっても養育費は異なります。ただし、子どもが2人だからといって金額も2倍になるわけではありません。

また、子どもが満15歳以上になると金額が変わります。中学・高校と進学するとその分、学費も必要ですし、食費や衣料費などの負担も大きくなるためです。

ただし、算定表で算出された金額はあくまでも相場であり、最終的な金額は当事者同士の話し合いで決まります。

養育費の目的はあくまで、「子どもが健やかに成長するため」のものです。

子どものことを第一に考えた上で、相手の収入や生活も考慮しながら、成人するまで払い続けられる金額にすることが大切です。

「養育費を増額したい」という方はこちらの記事も併せてご覧ください。

相手の年収が低くても養育費をもらえる可能性はある

実は、養育費を支払う義務者の年収が200万円以下であっても、月1~2万円の相場で請求は可能です。

確かに、養育費は年収と比例しているため、相手が低収入であれば、十分な養育費が期待できません。

実際に離婚を経験された方の中には、「相手の年収が低く、支払い能力がない」という理由で養育費を取り決めなかった人も少なくありません。

しかし養育費は、相手が低所得の場合はもちろん、失業中や借金があるなど、経済的トラブルを抱えていたとしても、その支払い義務が免除されるわけではないので、諦めずに請求するべきでしょう。

もちろん、相手の収入や事情は考慮すべきですが、だからといって子どもの生活が不自由になる事態は避けたいものです。

相手が納得しない場合は弁護士へ相談することをおすすめします。

年収別・子供の人数別の養育費相場

養育費は算定表を目安に決めていくとご紹介しましたが、具体的にどのぐらいの相場になるのでしょうか?

ここでは年収や子どもの人数ごとに、おおよその相場を表にしています。

ただし表はあくまでも目安なので、正確な数値が見たい方はこちらの裁判所が公開している算定表の資料をご覧ください

子供が1人の場合の相場

子どもを養育する側の親の年収を100万円以下と家庭した場合、子ども1人の養育費相場は次のようになります。

養育費を支払う側の年収 子供の年齢(0〜14歳) 子供の年齢(15〜19歳)
200万円 1~2万円 1~2万円
300万円 2~4万円 2~4万円
400万円 2~4万円 4~6万円
500万円 4~6万円 4~6万円
600万円 4~6万円 6~8万円
700万円 6~8万円 8~10万円
800万円 6~8万円 8~10万円
900万円 8~10万円 10~12万円
1000万円 8~10万円 12~14万円

子供が2人の場合の相場

子どもを養育する側の親の年収を100万円以下と家庭した場合、子ども2人の養育費相場は次のようになります。

養育費を支払う側の年収 子ども2人が0~14歳 子ども1人が0~14歳
もう1人が15~19歳
子ども2人が15~19歳
200万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円
300万円 2~4万円 4~6万円 4~6万円
400万円 4~6万円 4~6万円 6~8万円
500万円 6~8万円 6~8万円 8~10万円
600万円 8~10万円 8~10万円 10~12万円
700万円 8~10万円 10~12万円 10~12万円
800万円 10~12万円 12~14万円 12~14万円
900万円 12~14万円 12~14万円 14~16万円
1000万円 12~14万円 14~16万円 16~18万円

子供が3人の場合の相場

子どもを養育する側の親の年収を100万円以下と家庭した場合、子ども3人の養育費相場は次のようになります。

養育費を支払う側の年収 子ども3人が0~14歳 子ども2人が0~14歳、子ども1人が15~19歳 子ども1人が0~14歳子ども2人が15~19歳 子ども3人が15~19歳
200万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円
300万円 2~4万円 4~6万円 4~6万円 4~6万円
400万円 4~6万円 4~6万円 6~8万円 2~4万円
500万円 6~8万円 6~8万円 6~8万円 6~8万円
600万円 10〜12万円 12〜14万円 12〜14万円 12〜14万円
700万円 10〜12万円 12〜14万円 12〜14万円 12〜14万円
800万円 12〜14万円 12~14万円 14〜16万円 14〜16万円
900万円 14〜16万円 14〜16万円 16〜18万円 16〜18万円
1000万円 16〜18万円 16〜18万円 18〜20万円 18〜20万円

養育費をずっと払ってもらうのは意外と難しい

「教育費を決めるのって難しそう…」というイメージがあったかもしれませんが、おおよその相場は算定表があるため、それほど難しいものではありません。

それよりも、養育費を決める上で重要なのは子供が成人するまで、支払いが続くかどうかです。

なぜなら養育費は子どもの年齢によっては長期に渡り支払われるものなので、養育費を支払う側の親にしては負担が大きく、未払いになるケースがあるからです。

また、養育費を受ける側の親の中には「どうせ払ってくれない」、「これ以上関わりたくない」という思いから養育費を諦めてしまうことも多いです。

実際にほとんどの家庭で養育費は支払われていない

驚くべきことに実際に養育費を毎月支払ってもらっている母子世帯は2割とされています。

厚生労働省の「平成18年度全国母子世帯等調査結果報告」によれば、養育費の受給率は次のようになっています。

・母子世帯になってから0~2年:27.8%
・母子世帯になってから2~4年:20.6%
・母子世帯になってから4年目以降:16.5%

あくまで、元夫が養育費を支払う母子家庭での数値ですが、このように、最初のうちはきちんと支払われていても、年数が経つにつれて受給率は下がる傾向があります

初めのうちは支払いが遅れ、それが何度も続くうちに支払い自体がなくなってしまう可能性はゼロではありません。

年数が経って受給率が下がる原因には、3つの理由が存在します。

1.新しい家族ができた

新しい家族の生活を支える立場であれば、そちらが優先されるので養育費は後回しになってしまいがちです。

相手が再婚して配偶者の間に子ができた場合、その子の扶養義務を負うことになるので、養育費の減額が認められる場合もあります。

2.年数の経過で意識が薄くなる

定期的に親子で会う機会がない場合、年数が経過すると子どもに対する意識が薄くなってしまうケースもあるでしょう。

もう子どもも大きくなった、再婚しているかもしれないなどの理由で、養育費を打ち切ってしまう可能性があります。

3.協議の時点で養育費を取り決めていない

そもそも、協議が行われている時点で養育費の取り決めが正式に行われていない場合もあります。

協議離婚の場合、離婚条件の確認が公正証書で行われます。公正証書には養育費や慰謝料財産分与など給付に関する約束が記載されるので、公文書として高い信用性を持っています。

しかし、協議で養育費を取り決めていない場合、決められてないから払わなくても良いという意識が生まるので、実際に払われなくなってしまうのです。

離婚後に養育費が支払われない時の対処法

まずは、話し合いで相手に養育費の支払をするように求めます。

応じない場合には、相手の給料などの財産を差し押えるなど法的手続きをとることができます。

公正証書があるケースでは、強制執行による差し押さえ申し立てを家庭裁判所に行います。

裁判所へ提出する書類は、普通ならまず耳にしたことがないような難しい書類ばかり。よほどの法律の知識がなければ、作成は難しいでしょう。

したがって法律の専門家である、弁護士に依頼することが一般的です。

一方で公正証書がない場合は、いわば口約束だけの取り決めであり、法的手続きをとることができません。まずは家庭裁判所に申し立てて養育費調停をする必要があります。

調停で合意に至らなかった場合は、裁判所が適切な養育費を決める「審判」という手続きに進みます。それでもまだ支払いがなされない場合は、強制執行の手続を地方裁判所に行います。

このように公正証書がある/なしでは、大きな影響を及ぼしますので、離婚するときに公正証書を交わしておくことはとても大切なのです。

【まとめ】養育費は金額だけでなく「支払い続けてもらう」ことが重要!

養育費の相場は、算定表が定められているため、離婚協議で大きくもめる可能性はそれほど高くありません。

肝心なのは、子供が成人するまで払い続けてもらうことです

離婚時に取り決めた養育費を払い続けてもらうためには、あらかじめ公正証書という法的効力のある書類を作成しておく必要があります。

このように養育費を決めるのはもちろんのこと、しっかり払ってもらうためにも法的な知識が必要です。もしお悩みであれば、法律のプロである弁護士に相談してみましょう。

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