収入証明の提出は拒否できる?

収入証明書の提出は拒否できる?

単に離婚だけを争っているのであれば必要ありませんが、養育費や財産分与、慰謝料といったお金の問題が生じた場合、金額算定の基準のために、源泉徴収票や課税証明書といった収入証明の提出を求められることがあります。

しかし、どうしても収入証明を提出したくないのであれば、これを拒むことも可能です。すでに婚姻関係が破たんしている相手に収入は見せたくないなど、個人的な感情であっても構いません。

相手の弁護士や調停委員に提出を促されても、提出したくないのであれば無理に応じる必要はありません。ただし、裁判にまで発展すると事情が異なってきます。

収入証明の提出を拒むと?

離婚問題が協議や調停の段階であれば、収入証明の提出は強制ではありません。

しかし、収入証明の提出を拒むとなると、金額算定の基準がなくなるため、推定でしか収入の把握ができなくなります。特にお金の問題で揉めている場合、金額算定ができない理由から、協議や調停離婚が成立する可能性は著しく低くなります。

養育費や婚姻費用など、子どもの生活に関わってくる場合、たとえ収入が把握できなかったとしても審判にて強制的に決定が出されることはありますが、必ずしも自身が望んだ額になるとは限りません。特に収入証明の提出を拒む理由がなければ、可能な限り応じるのが得策です。

裁判に発展すると隠しきれない場合も

裁判にまで発展すれば、収入証明は隠しきれなくなってしまいます。

裁判では「文書送付嘱託(ぶんしょそうふしょくたく)」といって、給与支払い者である相手の職場に対して給与明細書の提出を請求できるのです。

この請求が裁判所に認められると、裁判所は給与支払い者に対し、当事者の給与明細書を提出しなさいといった内容の「文書提出命令」を出します。
この通知を受け取った給与支払い者は、原則として裁判所からの請求に応じなければならず、当事者の給与明細書を裁判所に提出しなければなりません。

また、相手に弁護士がついているとなれば、「弁護士照会」という手続きにて、相手の職場に対して給与明細書を請求することも可能です。

いずれは隠しきれなくなるだけでなく、裁判となると隠すことにより裁判官の心証も悪くなるため、よほどの事情がない限り、収入証明の提出には応じるようにしましょう。

収入証明を偽造すると?

なお、どうしても収入証明を提出したくないからといっても、偽造だけはしないでください。
特に自営業者であったり、副収入があったりする方は、自身の収入を偽ることも可能です。

しかし、偽りの収入証明を提出すると、「私文書偽造罪」に問われてしまう危険性があります。

調停では提出された書面(収入証明に限らず)の真偽が問われることはありませんが、裁判では真偽の追及が可能となっています。偽造が判明してしまえば、自身に圧倒的に不利な判決が出されてしまうこともあるため、安直な行動だけはしないでください。

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