相手が同性愛者だと知った場合に離婚はできるか?

結婚当初はパートナーが同性愛者であることを知らず、数年経ってから知った場合、これを理由に離婚はできるのでしょうか?

裁判で離婚が認められるためには法定離婚原因(詳しくは「法定離婚原因」)に該当している必要があります。

法定離婚原因となるのは以下のとおりです。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 強度の精神病
  • 婚姻を継続し難い重大な事由

パートナーが同性愛者だったということは、一見、法廷離婚原因の不貞行為に該当しているように感じられます。しかし法律では同性同士の性行為を不貞行為としてはいません

不貞行為は配偶者以外の異性が対象

なぜ同性愛は不貞行為に該当しないのでしょうか?

法定離婚原因として定められている配偶者以外の異性と性的関係を結ぶことです。

つまり同性愛は一般的に不貞行為に該当しないことになります。

とはいえ、相手が浮気をしていたという事実はそう簡単に受け入れられるものではないでしょう

実は、このような問題は過去に裁判で争われたことがありました。 夫が同性愛者であり、それを後から知った妻が離婚と慰謝料を求める訴えを提起したのです。

結果として裁判所は、離婚を認めた上、慰謝料として150万円の支払いを夫に対して命じました。

しかし、この裁判では、夫の同性愛が不貞行為として認められたわけではありません。

「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚を認めた

この裁判において裁判所は、不貞行為による離婚ではなく、婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚を認めました。

裁判では、同性愛とは性的嗜好であり、「そもそも夫婦関係に悪影響を与えるものなのか?」といった議論もされました。

また、不貞行為とは認めていないまでも、同性愛に対して性的異常が明らかで医学的に矯正できないのであれば、同性愛者であることが離婚原因として認められても仕方がない、といった受け取り方もできる内容でした。

とはいえ、この判決は昭和47年と、かなり昔の判決となっています。現代において同じような判決が出されるとは限りません。

重要なのは婚姻関係を継続できるか否か

今後、同性愛を含めたLGBTについては、民法などの法改正が行われる可能性は十分にありますが、上記のように、現在は同性の性行為を不貞行為とするのは困難です。

相手が同性愛者であることに離婚を求めるのであれば、法廷離婚原因の「婚姻を継続し難い重大な事由がある」として訴訟を提起することになります。

したがって、裁判で焦点は婚姻関係を継続できるか否かになります。

もちろん、裁判にまで発展する前に双方が合意すれば、法定離婚原因がなくとも離婚は可能です。この場合も、婚姻関係を継続できるか否かを中心に話し合いをするのがよいでしょう。

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